企業型確定拠出年金(DC)のマッチング拠出で老後資金づくり。マッチング拠出のメリット・デメリット

わが家では、2017年10月から企業型確定拠出年金のマッチング拠出をはじめました。

わたしの夫の会社は、企業型確定拠出年金に加入してくれており、月に11,500円の掛金を拠出してくれています。

企業型確定拠出年金に加入している方は、マッチング拠出という制度が使える場合があります。

マッチング拠出は、老後資金をつくるための有力な手段のひとつです。

今回は、企業型確定拠出年金のマッチング拠出をするメリット・デメリットについて書きます。

「企業型確定拠出年金に加入してる!でも、マッチング拠出って何?」と思われた方、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

企業型確定拠出年金とは?

企業型確定拠出年金とは、老後に受け取れるお金のひとつ。

老後に受け取れるお金には「国から・会社から・自分で準備する」の3種類がありますが、そのなかの「会社から受け取れるお金」にあたります。


〈老後に受け取れる3つのお金〉

1.国から(国民年金・厚生年金など)

2.会社から(退職一時金・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金など)

3.自分で準備(個人型確定拠出年金・預貯金など)


会社から受け取れるお金には、おもに退職一時金・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金の3つがあります。

退職一時金=いわゆる「退職金」

退職一時金は、いわゆる「退職金」のこと。

つまり退職一時金とは、

あなたが会社を退職するときに、会社はあなたに〇〇円を支払うよ

……という制度のことです。

確定給付企業年金:将来もらえる年金額が確定している

確定給付年金は、掛金は決まっていないけれど、将来いくらもらえるかが確定している年金のことです。

つまり確定給付企業年金とは、

会社が運用して資金をつくるから、あなたが〇〇歳から〇〇円を年金として支払うよ

……という制度です。

企業型確定拠出年金:掛金は決まっているけど、年金額は決まっていない

確定拠出年金とは、掛金は決まっているけれど、将来いくらもらえるかが決まっていない年金のことです。

つまり企業型確定拠出年金とは、

会社が毎月〇〇円の掛金を拠出するから、自分で運用して老後の年金を自分で作ってね

……という制度になります。

掛金を拠出するとは、掛金を払うという意味。

毎月決められた額を積み立てていくので、先取り貯金や積立投資みたいなものと考えていただくとわかりやすいです。

企業型確定拠出年金のマッチング拠出とは?

今回のテーマである企業型確定拠出年金のマッチング拠出とは、企業型確定拠出年金の掛金を自分で上乗せできる制度です。

企業型確定拠出年金の掛金は会社が負担しますが、マッチング拠出の掛金は自分で負担します。

マッチング拠出は、企業型確定拠出年金に加入していれば誰でもできるの?

マッチング拠出は、企業型確定拠出年金に加入しているからといって、誰でもできるわけではありません。

企業型確定拠出年金に加入している方は、次の3つに分かれます。


1. マッチング拠出ができる

2. iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる

3. どちらもできない


1~3のどれにあてはまるのかは、会社の規定によりますので、会社にご確認ください。わたしの夫の会社は「1.マッチング拠出ができる」という規定になっています。

なお、2番のiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる方は、こちらの記事をご参照ください。

会社員・自営業・公務員がiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入するメリット・デメリット

2017.02.09

マッチング拠出の掛金のルール

マッチング拠出の掛金には、ルールがあります。


1.他の企業年金がない場合:月55,000円までで、企業の掛金以下

2.他の企業年金がある場合:月27,500円までで、企業の掛金以下


わたしの夫の会社は、退職一時金がもらえて、企業の掛金は月11,500円。

この場合は「2.他の企業年金がある場合:月27,500円までで、企業の掛金以下」にあたりますので、マッチング拠出の掛金は月11,000円までとなります。(マッチング拠出の掛金は1,000円単位)

マッチング拠出のメリット・デメリット

マッチング拠出のメリット・デメリットは次の通りです。


〈メリット〉

1. 所得税と住民税が安くなる

2. 運用益が出ても、税金がかからない

〈デメリット〉

1. 60歳まで引き出せない

2. 受け取り時に税金がかかることがある


次章から、それぞれの項目についてくわしく説明します。

メリット1. 所得税・住民税が安くなる

マッチング拠出のメリットの1つめは、所得税と住民税が安くなること。

所得税・住民税が安くなるイメージ図

〈出典〉ろうきん「マッチング拠出の節税効果シュミレーション」

上は、納税額が決まるしくみを図で表したものです。

マッチング拠出において注目すべきは、赤枠の部分。所得控除が大きくなると、②の課税所得が減り、結果的に④の納税額(所得税・住民税)が少なくなるというイメージがわかるかと思います。

マッチング拠出は、所得控除のなかの「小規模企業共済等掛金控除」にあたりますので、②の課税所得を減らすことができ、結果的に④の納税額(所得税・住民税)が減らせるのです。

マッチング拠出をすると、どれくらい税金が安くなるの?

「マッチング拠出をするとどれくらい税金が安くなるか?」は給与や家族構成などによって異なります。そのため、実際にシュミレーションをしてみました。

シュミレーションに使ったサイトは、『ろうきん「マッチング拠出の節税効果シュミレーション」』です。

①詳細版を選ぶ

簡易版と詳細版がありますが、詳細版を選びます。

詳細版を選ぶ

②前提条件を入力する

次に、前提条件を入力します。純粋な所得税・住民税の節税額だけをシュミレーションするなら、運用利回りは0%をえらんでください。

前提条件を入力する(運用利回り0%)

③結果を確認

最後に結果を確認します。

結果を確認する

年収700万円のわが家の場合、マッチング拠出を年間144,000円(月12,000円)するだけで、納める税金が1年あたり33,500円安くなります。

これは非常に大きな節税です。

マッチング拠出の節税効果をシミュレーションしてみる

住宅ローン控除などを受けている方は、注意!

住宅ローン控除や医療費控除などが大きいためにそもそもの納税額が少ない方は、マッチング拠出の節税効果が小さくなることがあります。

また、住宅ローンなどのローンをお持ちの方は、くり上げ返済をしたほうがいいこともありますので、ご家庭の事情に合わせて検討してみてください。

メリット2. 運用益が出ても、税金がかからない

マッチング拠出のメリットの2つめは、運用益が出ても税金がかからないこと。

確定拠出年金は、投資信託や定期預金などのご自身でえらんだ金融商品で運用します。

投資信託や定期預金で運用益が出た場合、通常は運用益の約20%の税金が取られますが、確定拠出年金で出た運用益については、税金がかかりません。

運用益に税金がかからないと、どれくらいおトクなの?

「運用益に税金がかからないと、どれくらいおトクなのか?」について、先ほどの『ろうきん「マッチング拠出の節税効果シュミレーション」』を使ってシュミレーションしてみました。

①詳細版を選ぶ

簡易版と詳細版がありますが、詳細版を選びます。

詳細版を選ぶ

②前提条件を入力する

次に前提条件を入力します。運用利回りについては、3%としてシミュレーションしました。

運用益は保証されているものではありませんし、投資信託で運用する場合には元本割れすることもありますのでご注意ください。

前提条件を入力する(運用利回り3%)

③結果を確認

最後に結果を確認します。「運用益に税金がかからない」ことのメリットは「資産運用によるメリット」に書かれています。

結果を確認する

仮に月12,000円の掛金を27年間拠出し、年3%で運用できた場合、本来納めるべき税金は534,000円。

しかし、確定拠出年金の場合はこの534,000円を払う必要がありません。これは大きな節税ですよね。

マッチング拠出の節税効果をシミュレーションしてみる

デメリット1. 60歳まで引き出せない

マッチング拠出のデメリットの1つめは、60歳まで引き出せないこと。

そのためマッチング拠出として自分で負担する金額は、「老後資金として貯めるお金」ということになります。

デメリット2. 受け取り時に税金がかかることがある

マッチング拠出のデメリットの2つめは、受け取り時に税金がかかる場合があること。

「人によっては」ですが、受け取り時に税金がかかることがあります。

これが非常に複雑なしくみなのですが、重要なのは、退職金や企業型確定拠出年金がたくさんもらえる方は、企業型確定拠出年金(もしくは退職金)を受け取るときに課税されるということです。

課税される目安

退職時に勤続30年:退職金と企業型確定拠出年金など合わせて1,500万円以上

退職時に勤続35年:退職金と企業型確定拠出年金など合わせて1,850万円以上

たとえばわが家の場合、同じ会社に35年勤めると、おおよそ次のような退職金がもらえる予定です。


・退職一時金:1,000万円

・企業型確定拠出年金(企業負担分):400万円

・企業型確定拠出年金(マッチング拠出分):400万円

⇒合計:1,800万円


勤続35年で退職すると1,850万円までは税金がかからないので、わが家は全額非課税。わが家と同じように非課税枠で収まっている方は、一時金でもらえば税金がかかりません。

一方、退職金や企業型確定拠出年金がたくさんもらえる方でも、退職所得特有の課税計算方法により、多くの方にとっては、給与でもらうよりも税金はかなり少なくすみます。

つまり、掛金の拠出時に払わなくて済んだ所得税・住民税にくらべると、受け取り時に払う税金が少ない方が大半です。

そのためデメリットと言えるのかは微妙ですが、受け取り時に課税されることはあまり知られていないので、この記事ではデメリットとして書きました。

退職金がたくさんもらえそうな方は、『一番やさしい!一番くわしい!個人型確定拠出活用入門』がおすすめ

「退職金や年金がたくさんもらえそう!受け取るときに、できるだけソンしたくない!」という方は、『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』を読まれることをおすすめします。

受け取り時の注意点について丁寧に書かれており、とても参考になります。

これは個人型確定拠出年金の本ですが、企業型と個人型の受け取り方法にちがいはないので、この本を読めば問題ないです。

企業型確定拠出年金の受け取り方には、一時金だけでなく年金形式もありますが、節税メリットを享受しやすいのは一般的に一時金での受けとりなので、この記事では一時金のみ説明しました。

まとめ


〈マッチング拠出のメリット〉

1. 所得税と住民税が安くなる

2. 運用益が出ても、税金がかからない

〈マッチング拠出のデメリット〉

1. 60歳まで引き出せない

2. 受け取り時に税金がかかることがある


マッチング拠出は老後資金を作るためにはとてもおすすめの制度ですが、以下の方を除きます。


・所得控除(医療費控除など)や税額控除(住宅ローン控除など)が大きく、そもそもの納税額が少ない方⇒節税効果が下がることがあるので要チェック

・住宅ローンの負担が大きいため、まずは住宅ローンをくり上げ返済して家計の健全化をはかりたい方⇒くり上げ返済を優先させるかご検討ください


わが家は上の条件には当てはまらないので、限度額まで掛金を拠出して、老後資金づくりをがんばります(*^^*)



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