会社員・自営業・公務員がiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入するメリット・デメリット

2017年1月1日から、60歳未満の方ならだれでもiDeCo(個人型確定拠出年金、以下イデコと書きます)に加入できるようになりました。

そうなると、イデコを利用したほうがおトクなのかな?と疑問に思いますよね。

この記事では、イデコに未加入の会社員・自営業・公務員がイデコに加入するメリット・デメリットと、両方を考慮したうえでイデコに加入するのはおすすめか?について説明します。

▼「未加入で会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)」以外の方は、こちらの記事でどのタイプに当たるかをご確認ください

会社員・自営業・公務員・専業主婦。「iDeCo(イデコ)に加入するのはおすすめ?」タイプ別にまとめました

2017.09.27

まずは結論から!老後資金を作る目的ならiDeCo(イデコ)に加入するのがおすすめ

ただでさえ分かりにくい年金制度。まずは結論をお伝えしますね。

会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)は、老後資金を作るという目的でならイデコに加入するのがおすすめです。

ただし、以下の方を除きます。


・所得控除(医療費控除など)や税額控除(住宅ローン控除など)が大きく、そもそもの納税額が少ない方⇒節税効果が下がることがあるので要チェック

・住宅ローンの負担が大きいため、まずは住宅ローンをくり上げ返済して家計の健全化をはかりたい方⇒くり上げ返済を優先させるかをご検討ください


企業型確定拠出年金に加入している方は、会社の規定を要チェック

会社員の方で企業型確定拠出年金に加入している方は、次の3つのタイプに分かれます。


① イデコにも加入できる

② イデコは加入できないが、マッチング拠出が利用できる

③ イデコに加入できないし、マッチング拠出も利用できない


①~③のどれに当たるかはお勤め先の規約によりますので、お勤め先でご確認ください。

マッチング拠出が利用できる方は、こちらの記事をご参照ください。

企業型確定拠出年金(DC)のマッチング拠出で老後資金づくり。マッチング拠出のメリット・デメリット

2017.10.01

掛金の限度額:自営業の方は月68,000円/公務員は月12,000円/会社員の方は会社で確認

イデコの掛け金の限度額は、個人の状況によって異なります。

自営業の方は月68,000円、公務員は月12,000円。会社員の方はお勤め先で聞いていただくのが早いです。

掛金を拠出するとは、掛金を払うという意味。

毎月決められた額を積み立てていくので、先取り貯金や積立投資みたいなものと考えていただくとわかりやすいです。

▼掛金の限度額の一覧表

掛金の限度額の一覧表

会社員・自営業・公務員の方がiDeCo(イデコ)に加入するメリット・デメリット

会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)が、イデコに加入するメリット・デメリットは次の通りです。


〈メリット〉

1. 所得税と住民税が安くなる

2. 運用益が出ても、税金がかからない

〈デメリット〉

1. 60歳まで引き出せない

2. 受け取り時に税金がかかることがある


次章から、それぞれの項目についてくわしく説明します。

メリット1. 所得税と住民税が安くなる

会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)がイデコに加入するメリットの1つめは、所得税と住民税が安くなること。

〈参考〉iDeCoナビ

上は、納税額が決まるしくみを図で表したものです。

イデコにおいて注目すべきは、所得控除の部分。所得控除が大きくなると、所得税額(所得税・住民税)が少なくなるというイメージがわかるかと思います。

イデコは所得控除のなかの「小規模企業共済等掛金控除」にあたるので、所得税額(所得税・住民税)が減らせるのです。

掛け金を拠出すると、どれくらい税金が安くなるかシミュレーション

どれくらい税金が安くなるかは、課税所得によって異なります。そのため、実際にシミュレーションをしてみました。

シュミレーションに使ったサイトは、『税制メリット試算シミュレーション(ニッセイの個人型確定拠出年金)』です。

①課税所得を調べる

はじめに源泉徴収票から課税所得を求めます。

ちなみに、年収680万円だった夫の課税所得は約300万円でした。

源泉徴収票からの課税額の求め方

〈参考〉ニッセイの個人型確定拠出年金

②必要な情報を入力する

次に、必要な情報を入力します。純粋な所得税・住民税の節税額だけをシュミレーションするなら、運用利回りは0%をえらんでください。

個人型確定拠出年金の税制メリットを試算 シミュレーション結果を見る

③結果を確認

最後に、結果を確認します。

個人型確定拠出年金の税制メリットのシミュレーション結果

課税所得300万円の場合、イデコの掛金を年間144,400円(月12,000円)拠出するだけで、納める税金が1年あたり28,800円安くなります。これは大きな節税効果です。

ニッセイの個人型確定拠出年金で節税メリットを試算してみる

住宅ローン控除などを受けている方は注意!

住宅ローン控除や医療費控除などが大きいためにそもそもの納税額が少ない方は、イデコの節税効果が小さくなることがあります。

また、住宅ローンなどのローンをお持ちの方は、くり上げ返済をしたほうがいいこともありますので、ご家庭の事情に合わせて検討してみてください。

メリット2. 運用益が出ても税金がかからない

会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)がイデコに加入するメリットの2つめは、運用益が出ても税金がかからないこと。

確定拠出年金は、投資信託や定期預金などのご自身でえらんだ金融商品で運用します。

投資信託や定期預金で運用益が出た場合、通常は運用益の約20%の税金が取られますが、確定拠出年金で出た運用益については、税金がかかりません。

運用益に税金がかからないと、どれくらいおトクなのか?シミュレーション

運用益に税金がかからないと、どれくらいおトクなのか?について、先ほどの『税制メリット計算シミュレーション(ニッセイの個人型確定拠出年金)』を使って、シミュレーションしてみました。

①課税所得を調べる

はじめに源泉徴収票から課税所得を求めます。

ちなみに年収680万円だった夫の課税所得は、約300万円でした。

源泉徴収票からの課税所得の求め方

〈参考〉税制メリット試算シミュレーション(ニッセイの個人型確定拠出年金)

②必要な情報を入力する

次に必要な情報を入力します。運用利回りについては、3%としてシミュレーションしました。

運用益は保証されているものではありませんし、投資信託で運用する場合には元本割れすることもありますのでご注意ください。

個人型確定拠出年金の税制メリットを試算 シミュレーション結果を見る

③結果を確認

最後に結果を確認します。「運用益に税金がかからない」ことのメリットは「資産運用時のメリット」に書かれています。

個人型確定拠出年金の税制メリットのシミュレーション結果

月12,000円の掛金を30年間拠出し、仮に3%で運用できたとすると、本来納めるべき税金は675,100円。

しかし、確定拠出年金の場合はこの675,100円を払う必要がありません。これは大きな節税効果です。

ニッセイの個人型確定拠出年金で節税メリットを試算してみる

デメリット1. 60歳まで引き出せない

会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)がイデコに加入するデメリットの1つめは、60歳まで引き出せないこと。

そのため、イデコは「老後資金として貯めるお金」ということになります。

デメリット2. 受け取り時に税金がかかることがある

会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)がイデコに加入するデメリットの2つめは、受け取り時に税金がかかる場合があること。

これが非常に複雑なしくみなのですが、重要なのは、退職金がたくさんもらえる方は確定拠出年金(もしくは退職金)を受け取るときに課税されるということです。

課税される目安

退職時に勤続30年:退職金と企業型確定拠出年金など合わせて1,500万円以上

退職時に勤続35年:退職金と企業型確定拠出年金など合わせて1,850万円以上

非課税枠で収まっている方は、一時金で受け取れば税金がかかりません。

一方、退職金がたくさんもらえる方でも、退職所得特有の課税計算方法により、多くの方は給与でもらうよりも税金はかなり少なくすみます。

つまり、掛金の拠出時に払わなくて済んだ所得税・住民税にくらべると、受け取り時に払う税金が少ない方が大半です。

そのため、デメリットと言えるのかは微妙ですが、受け取り時に課税されることはあまり知られていないので、この記事ではデメリットとして書きました。

退職金がたくさんもらえそうな方は、『一番やさしい!一番くわしい!個人型確定拠出活用入門』がおすすめ

「退職金や年金がたくさんもらえそう!受け取るときに、できるだけソンしたくない!」という方は、『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』を読まれることをおすすめします。

受け取り時の注意点について丁寧に書かれており、とても参考になります。

確定拠出年金の受け取り方には、一時金だけでなく年金形式もありますが、節税メリットを享受しやすいのは一般的に一時金での受けとりなので、この記事では一時金のみ説明しました。

イデコ(iDeCO)に加入するなら、楽天証券かSBI証券がおすすめ

イデコに加入する場合、金融機関の選択がとても大事。金融機関によって手数料や商品ラインナップに大きなちがいがあるからです。

おすすめの金融機関は、楽天証券かSBI証券です。


〈楽天証券とSBI証券がおすすめの理由〉

1. 運営管理手数料が無料

2. 投資信託などで資産運用する場合に、コストの低い優良なファンドがそろっている


投資信託で資産運用する場合には、信託報酬というコストが発生します。

これは資産から毎日少しずつ引かれていくコストなので気づきにくいのですが、リターンを確実に減らす要素です。

楽天証券とSBI証券の商品ラインナップには、このコストが低い優良なファンドがそろっています。

現時点で少しだけ優勢なのは楽天証券

楽天証券かSBI証券もどちらもおすすめなのでどちらを選んでも大丈夫ですが、現時点で少しだけ優勢なのは楽天証券

その理由は、楽天証券のほうが受け取り方法の自由度が高いからです。


〈受け取り方法〉

・楽天証券:一括、分割、一括+分割の3種類から選べる

・SBI証券:一括、分割の2種類から選べる


楽天証券の確定拠出年金プログラムを見てみる

まとめ

長くなりましたので、もう一度結論をくり返します。

「会社員・自営業・公務員の方(税金を納めている方)」は、老後資金を貯める目的ならイデコに加入するのがおすすめです。

ただし、以下の方を除きます。


・所得控除(医療費控除など)や税額控除(住宅ローン控除など)が大きく、そもそもの納税額が少ない方⇒節税効果が下がることがあるので要チェック

・住宅ローンの負担が大きいため、まずは住宅ローンをくり上げ返済して家計の健全化をはかりたい方⇒くり上げ返済を優先させるかご検討ください


楽天証券の確定拠出年金プログラムを見てみる

関連記事

▼イデコに加入するなら、金融機関選びが大事。おすすめの証券会社を紹介しています

【2017年11月最新】iDeCo(個人型確定拠出年金)の証券会社を比較。おすすめの証券会社は?

2017.11.01

▼わが家は確定拠出年金を先進国株式ファンドで運用しています

確定拠出年金のアセットアロケーション。『ほったらかし投資術』のおすすめ商品に決定!

2016.04.10



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。