会社員は、個人型確定拠出年金に加入したほうがおトクなの?〈現在未加入の方向け〉

2017年1月1日から、60歳未満の方ならだれでも、個人型確定拠出年金(個人型DCや、iDeCoともいいます)に加入できるようになりました。

そうなると、個人型確定拠出年金を利用したほうがおトクなのかな?と疑問に思いますよね。

この記事では、個人型確定拠出年金に「未加入で会社員の方(税金を納めている方)」が、個人型確定拠出年金の掛金を拠出すべきか?について説明します。

▼個人型確定拠出年金の「運用指図者で会社員の方(税金を納めている方)」は、こちらの記事をご参照ください。

個人型確定拠出年金の「運用指図者の会社員」は、老後資金のためなら掛金を拠出したほうがいい!

2017.02.11

まずは結論から!会社員は、老後資金を作る目的なら個人型確定拠出年金に加入すべき!

ただでさえ分かりにくい年金制度。まずは結論をお伝えしますね。

「会社員の方(税金を納めている方)」は、老後資金を作るという目的でなら個人型確定拠出年金に加入するのがオススメです!

ただし、以下の方を除きます。

・所得控除(医療費控除など)や税額控除(住宅ローン控除など)が大きく、そもそもの納税額が非常に少ない方

・住宅ローンの負担が大きく、まずは住宅ローンを繰り上げ返済して、家計の健全化をはかりたい方

個人型確定拠出年金の掛け金は、いくらまで拠出できる?

掛け金を「拠出する」とは?

まず、掛け金を「拠出する」という言葉がわかりにくいですよね。

掛け金を「拠出する」とは、掛け金を払うという意味です。

掛け金はいくらまで拠出できる?

個人型確定拠出年金の掛け金の限度額は、個人の状況によって異なります。

個人型確定拠出年金の掛け金の限度額一覧

企業型DCに加入している方が、個人型DCに加入できるかどうかは、会社の規定によります。かならずご自身の会社でご確認ください。

また、個人型DCに加入できなくても、企業型DCのマッチング拠出ができる場合もあります。くわしくは→こちらの記事

会社員が個人型確定拠出年金に加入するメリット・デメリット

会社員(税金を納めている方)が、個人型確定拠出年金に加入するメリット・デメリットは次の通りです。


メリット1.所得税と住民税が安くなる

メリット2.運用益が出ても、税金がかからない


デメリット1.60歳まで引き出せない

デメリット2.受け取り時に税金がかかることがある


次章から、それぞれの項目についてくわしく説明します。

メリット1.所得税と住民税が安くなる

〈参考〉iDeCoナビ

上は、納税額が決まるしくみを図で表したものです。

個人型確定拠出年金において注目すべきは、所得控除の部分。所得控除が大きくなると、所得税額(所得税・住民税)が少なくなるというイメージがわかるかと思います。

個人型確定拠出年金は、所得控除のなかの「小規模企業共済等掛金控除」にあたるので、所得税額(所得税・住民税)が減らせるのです。

掛け金を拠出すると、どれくらい税金が安くなるの?

どれくらい税金が安くなるかは、課税所得によって異なります。そのため、実際にシュミレーションをしてみました。

シュミレーションに使ったサイトは、『税制メリット試算シミュレーション(ニッセイの個人型確定拠出年金)』です。

(1)課税所得を調べる

〈参考〉ニッセイの個人型確定拠出年金

なお、わたしの夫の昨年の課税所得は、年収680万円で約300万円でした。

(2)必要な情報を入力する

純粋な所得税・住民税の節税額だけをシュミレーションするなら、運用利回りは0%を選ぶとわかりやすいです

(3)結果を確認

課税所得300万円の場合、個人型確定拠出年金を年間144,400円(月12,000円)するだけで、納める税金が1年あたり28,800円安くなります。

これは非常に大きな節税ですよね!

節税メリットを試算してみる

住宅ローン控除などを受けている方は注意!

他の所得控除(医療費控除など)や税額控除(住宅ローン控除など)が大きく、そもそもの納税額が少ない方にとっては、個人型確定拠出年金の節税効果が小さくなることがあります。

また、住宅ローンなどのローンをお持ちの方は、マッチング拠出をするよりも、繰り上げ返済をしたほうがいいこともありますので、ご家庭の事情に合わせて検討してみてください。

メリット2.運用益が出ても、税金がかからない

確定拠出年金は、投資信託や定期預金など、自分で選んだ金融商品で運用します。

投資信託や定期預金で運用益が出た場合、通常は運用益の約20%の税金が取られますが、確定拠出年金で出た運用益については、税金がかかりません

運用益に税金がかからないと、どれくらいおトクなの?

先ほどの『税制メリット計算シミュレーション(ニッセイの個人型確定拠出年金)』を使って、シミュレーションしてみました。

(1)課税所得を調べる

〈参考〉税制メリット試算シミュレーション(ニッセイの個人型確定拠出年金)

先ほど調べた課税所得を、そのまま使えばオーケーです。

(2)必要な情報を入力する

今回は仮に3%としましたが、運用益は保証されているものではありませんし、元本保証以外の商品の場合、元本割れすることもありますのでご注意ください。

(3)結果を確認

「運用益に税金がかからない」ことのメリットは、「資産運用時のメリット」で確認します。

月12,000円の掛金を30年間拠出し、仮に3%で運用できた場合、本来納めるべき税金は675,100円。

しかし、確定拠出年金の場合はこの675,100円を払う必要がありません。

これは、大きな節税ですよね!

節税メリットを試算してみる

デメリット1.60歳まで引き出せない

確定拠出年金は、原則60歳まで引き出せません。

「原則」と書きましたが、引き出せる方は非常に限られた条件下の方ですので、「60歳までは引き出せない」と考えておいていいでしょう。

そのため、個人型確定拠出年金の掛金は、「老後資金として貯めるお金」ということになります。

デメリット2.受け取り時に税金がかかることがある

「人によっては」ですが、受け取り時に税金がかかることがあります。

これが非常に複雑なしくみなのですが、重要なのは、退職金がたくさんもらえる方は、確定拠出年金(もしくは退職金)を受け取るときに課税されるということです。

課税される目安

退職時に勤続30年:退職金と企業型確定拠出年金など合わせて1,500万円以上

退職時に勤続35年:退職金と企業型確定拠出年金など合わせて1,850万円以上

非課税枠で収まっている方は、一時金で受け取れば、税金がかかりません。

一方、退職金がたくさんもらえる方でも、退職所得特有の課税計算方法により、多くの方にとっては、給与でもらうよりも税金はかなり少なくすみます。

つまり、掛金の拠出時に払わなくて済んだ所得税・住民税にくらべると、受け取り時に払う税金が少ない方が大半です。

そのため、デメリットと言えるのかは微妙ですが、受け取り時に課税されることはあまり知られていないので、この記事ではデメリットとして書きました。

ただし、「退職金や年金がたくさんもらえそう!受け取るときに、できるだけソンしたくない!」という方は、『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』を読まれることをおすすめします。

受け取り時の注意点について丁寧に書かれており、とても参考になります。

この記事で説明しようと思いましたが、とても複雑で、しかも個々のケースに応じて状況が異なるため、断念しました。

確定拠出年金の受け取り方には、一時金だけでなく年金形式もありますが、節税メリットを享受しやすいのは一般的に一時金での受けとりなので、この記事では一時金のみ説明しました。

まとめ

長くなりましたので、もう一度結論を繰り返します。

「会社員の方(税金を納めている方)」は、老後資金を作るという目的でなら、掛金を拠出するのがオススメです!

ただし、以下の方を除きます。

・所得控除(医療費控除など)や税額控除(住宅ローン控除など)が大きく、そもそもの納税額が非常に少ない方

・住宅ローンの負担が大きく、まずは住宅ローンを繰り上げ返済して、家計の健全化をはかりたい方

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2016.04.10

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