個人型確定拠出年金の「運用指図者の専業主婦」は、掛金を拠出したほうがいいの?

2017年1月1日から、専業主婦も個人型確定拠出年金に加入できるようになりました。

そうなると、専業主婦も個人型確定拠出年金を利用した方がいいのかな?って疑問に思いますよね。

この記事では今個人型確定拠出年金の「運用指図者の専業主婦」が、個人型確定拠出年金の掛金を拠出すべきか?について説明します。

▼現在個人型確定拠出年金の「運用指図者でお勤めされている方(税金を納めている方)」」は、こちらの記事をご参照ください。

個人型確定拠出年金の「運用指図者の会社員」は、老後資金のためなら掛金を拠出したほうがいい!

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▼現在個人型確定拠出年金に「未加入で専業主婦」の方は、こちらの記事をご参照ください。

専業主婦は個人型確定拠出年金に加入したほうがおトクなの?〈現在未加入の方向け〉

2017.01.19

個人型確定拠出年金の運用指図者とは?

次の条件に当てはまる方は、個人型確定拠出年金の運用指図者になっているはずです。


・以前、企業型確定拠出年金に加入していたが、転職後の会社に企業型確定拠出年金がなかったため、資産が移換できなかった

・以前、企業型確定拠出年金に加入していたが、退職して自営業をはじめることにした

・以前、企業型確定拠出年金に加入していたが、退職して専業主婦(夫)になった


まず、運用指図者ってどういう意味か分からないですよね。

運用指図者とは、お金は60歳まで引き出せず、掛け金は拠出できず、運用を指図するだけです。「運用を指図する」とは、「資産を売却して、金融商品を購入しなおすこと(=スイッチング)ができる」という意味です。

なお、運用指図者になった方は、金融機関の選択がとても大事です。ここを間違えると、大きく損をします。

こちらの記事でくわしく説明していますが、楽天証券かSBI証券がオススメです。

個人型確定拠出年金の運用指図者は、必読!おすすめの移換先・手数料・注意点まとめ

2017.02.08

運用指図者になったら、何ができる?

個人型確定拠出年金の運用指図者ができることには、次の3つがあります。

1.元本保証の定期預金などで資産を持ち続ける

2.投資信託などの金融商品で資産運用する

3.投資信託などの金融商品で資産運用するだけでなく、掛金も拠出する

1・2と、3は、大きくちがいます。

1・2は運用指図者として、もともと加入していた企業型確定拠出年金の資産を資産運用するかどうかですが、3については新たに掛金を拠出することになります。

ですので、この記事では、3に絞って書きます。

なお、1・2の「もともとの資産を運用した方がいいのか」については、こちらの記事で書いています。

個人型確定拠出年金の「運用指図者」になったら、資産運用したほうがいいの?

2017.01.04

「運用指図者の専業主婦」にとっての、個人型確定拠出年金のメリット・デメリット

「運用指図者の専業主婦」にとっての、個人型確定拠出年金のメリット

本来、個人型確定拠出年金には、次の3つのメリットがあります。

1.掛金が所得控除(所得税・住民税が安くなる)

2.運用益が非課税(通常、運用益には約20%の税金がかかるところ、確定拠出年金だとかからない)

3.受け取り時にも非課税枠(退職金と同じ優遇枠が使える)

しかし、税金を納めていない専業主婦にとってのメリットは、2.運用益が非課税だけです。

「運用指図者の専業主婦」にとっての、個人型確定拠出年金のデメリット

1.60歳まで引き出せない

2.手数料がかかる(年額最低1,236円)

「運用指図者の専業主婦」は、個人型確定拠出年金の掛金を拠出するべきなの?

ただでさえ難しい、年金制度。とにかく結論が知りたいですよね。

そこで、結論をお伝えします!これは、夫の状況に応じて異なりますので、どれに当たるかを確認してくださいね。

1.夫が個人型確定拠出年金に加入できる方

夫が個人型確定拠出年金に加入できる場合、夫が加入するほうがおトクです。

理由は、夫なら3つのメリットをフル活用できるからです。

1.掛金が所得控除(節税効果)

2.運用益が非課税(どんなに儲かっても税金がかからない)

3.受け取り時にも非課税枠(退職金と同じ優遇枠が使える)

夫が個人型確定拠出年金に加入できるのはどんな場合?

1.夫が企業型確定拠出年金に加入していない場合

2.夫が企業型確定拠出年金に加入しているが、夫の会社が個人型にも加入することを規定で認めている場合

※なお、夫が企業型確定拠出年金に加入していて、2.に当てはまらない場合、「企業型確定拠出年金のマッチング拠出」ができることがあります。

この場合は、専業主婦が個人型確定拠出年金に加入するよりも、夫の企業型確定拠出年金のマッチング拠出のほうがおトクです。

わが家はこのタイプで、マッチング拠出をはじめます。くわしくはこちらの記事

2.夫が個人型確定拠出年金に加入できない方(もしくは、夫が加入済みで限度額まで拠出している方)

夫が個人型確定拠出年金には加入できない場合(もしくは、夫が加入済みで限度額まで拠出している場合)は、専業主婦が掛金を拠出することに一定のメリットがあります。

このケースの方は、次のどれに当てはまるかを確認してください。

(1)投資をするつもりのない方

投資をするつもりがない方は、個人型確定拠出年金に掛金を拠出するべきではありません。

理由は、掛け金を拠出するために手数料がかかるからです。

(2)60歳まで残りの年数が少ない方

60歳まで残りの年数が少ない方は、個人型確定拠出年金に掛け金を拠出することをおすすめしません。

なぜなら個人型確定拠出年金は、60歳までしか掛け金を拠出できず、70歳までには引き出しはじめなければならないからです。

このケースの方は、個人型確定拠出年金ではなく、NISA口座で運用するのがおすすめです。

ネット証券でNISA口座を開けば、手数料はかかりませんし、譲渡益や配当が最高10年間非課税です。

(3)投資をするつもり&60歳までの残り年数がある方

投資をするつもりで60歳までの残り年数がある方には、「老後資金を貯める」という目的なら、掛金を拠出するのはおすすめです。

しかし、掛金を拠出する方にとって、忘れてはならない大事なことがあります。それは、掛け金を拠出するためには1,236円(年額)の手数料がかかることです。

投資は、必ず増える保証のある資産運用ではありませんが、手数料は、確実に発生するマイナスです。

手数料以上の運用益を出す自信のある方に、掛け金の拠出をおすすめします。

まとめ

現在確定拠出年金の運用指図者の専業主婦のうち、掛金を拠出することをおすすめするのは、夫が個人型確定拠出年金に加入できなくて、投資をするつもりで、60歳まで残り年数があり、手数料分の運用益を出す自信のある方だけです。

ちなみにわたしも運用指図者の専業主婦ですが、掛金を拠出せず、元々の資産を運用しています。

(おさらい)運用指図者ができることは?

1.元本保証の定期預金などで資産を持ち続ける

2.投資信託などの金融商品で資産運用する(←わたしの場合)

3.投資信託などの金融商品で資産運用するだけでなく、掛金も拠出する

なお、「掛金を拠出しようかな?」と思っている方は、『一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』をお読みになることをおすすめします。

確定拠出年金は受け取り方などが少し複雑なのですが、こちらの本では細部まで丁寧に説明されているので、とても参考になりますよ。